色移りのおはなし その1

投稿者 : 仔ドラ on

ドーモ、ブログドクシャ=サン、仔ドラです。
と、今回はあの古事記にも記されている、どんな憎しみがあろうとも絶対に欠かしてはならない、ニンジャのイクサにおける絶対の礼儀でご挨拶を。

ちゃうねん。仔ドラこう見えて関西の出身やねん。せやからなんかこう、ネタを挟まなあかん気がしてな?
…こんなこと言ってるから、また関西人のイメージがおかしなことになっていくんでしょうね!!

はいそんなわけで。今回のネタはこちら、みんなのトラウマ『色移り』のお話。
今回も、まだお迎えできてないのに予習しまくりで知識だけは豊富&科学系好きな仔ドラさんが可能な限り、原理から対処法まで解説していきたいと思います!


 

はい、というわけで色移りのお話。これはラブドールに限らず、日常生活でも耳にする言葉だと思います。洗濯したら色移りした!とか。
ここで一つ、質問です。そもそも色移りってどういう現象なのか、皆様はご存じでしょうか?
『そんなことはどうでもいい、色移りを防止する方法を教えるのだ( ゜Д゜)』
という方もいらっしゃるかもしれませんが、原理を知っていると意外と防止の役に立つので、まずはご一読くださいませ。


【色移りの知識:基本編】
まずは洗濯における色移りの原理。
皆さん洗濯するときは、洗濯機に洗剤を入れると思います。そう、実はこの洗剤が色移りの原因なのです。
『なん……だと……?(;゚Д゚)』
仔ドラもこれを初めて知った時、↑のような顔になりました。
(注:他にも原因はありますが、ドールに関係する原因がほぼこれなので、この原理だけ解説します)

具体的にどういうことか?洗剤には汚れを落とす成分として『界面活性剤』というものが入っています。
『水と油が混ざらない』というのはよく知ってると思いますが、界面活性剤はこの水と油を混ぜ合わせてくれる薬品なのです。
界面活性剤は、ちょうど画鋲や押しピンのような形をしていて、針の方が油と、持ち手の方が水と混ざる性質をしています。
この界面ピン(仮)が汚れにプスプス刺さり、汚れを浮かして水に溶けて綺麗になる。というのが原理なのですが……。
実はこの界面ピンが汚れだけでなく衣類の染料にも刺さってしまい、浮いた染料が水に溶けだし他の衣類に染み込み……。というのが、洗濯における色移りの原理なわけです。
我々人間が、どんな素材どんな色の服を着ていても、肌に色移りしないのはこういう原理があるからなのです。
体の表面から界面活性剤があふれ出す特異体質の人は別としてね!いるのかは知らないけど!!

では、なぜドールに色移りが起きるのか?というお話に進みましょう。
『はっ!!まさかうちの子ボディから界面活性剤が出ているのでは……!?(;゚Д゚)』
『んなアホな(´・ω・`)』と言いたいところなのですが……。
実は大体あってます。いやホントに。正確には界面活性剤を分泌してるわけじゃないけれども!

『オイルブリード』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これはシリコンドール、TPEドール問わずに起きる現象で、素材の中の油分が表面に滲み出してくる現象です。
実はこのあふれ出すオイルが、界面活性剤と同じような役割を果たしてしまうのです。

つまり:オイルが出る→繊維に染み込む→染料がブリードと合体→ブリードが染料状態に→はいドーン!( ゜Д゜)
簡単に纏めるとこんな感じです。もちろん他にも原因はありますが、ざっくりするとこんな感じです。


【色移りの知識:防止編(衣類側)】
というわけで、ここからは具体的にどうやって色移りを防止するか?というお話をしましょう。
一番手っ取り早いのは、色のついていない衣服を着せる事です。上から下まで真っ白の天使コスなら移らないよ!
………(´・ω・`)
………いや、ほんと。マジでね?(´・ω・`)
詳しくは最後に纏めますが、完全に防ぐ方法というのは、今のところありません。
が、これだけだと何なので、一般的な対処法や疑問点。理論に基づく方法を纏めてみました。

・色の濃い衣服ほど色移りし易いって聞いたけど?
厳密にいえば色の濃さは色移りとは無関係です。理論上は。
実際の所、色移りのしやすさというのは、『染色堅牢度』と言われる数値で決まります。これはJIS企画に則った試験方法と規格が定められていますが、公表はされていないので我々一般人が知る方法はありません。
なので、染色堅牢度さえ高ければ濃い色の衣類でも色移りしにくい、というのが理論上のお話ですが……。
現実には、濃い色の衣類=(淡色に比べて)使用染料が多い=染色堅牢度が低い。という三段論法(誤用)が成り立つのが一般的です。
特に危険がデンジャーなのは、赤系や青系の衣服。通常の三倍の速度で動けそうな服とか、戦いに敗れるとはこういうことだーとか叫んで自爆しそうな色は注意です。

・素材によって移りやすい、移りにくいがあるって聞いたけど?
だいたいあってます。なぜか?というと、素材によって染色の方法が異なるためです。
まず一般的に、色移りし易いと言われる素材は綿や麻。業界では天然素材とか植物繊維とか言われるやつらです。主に肌着などに使用されます。
『それはよく聞くけど、なんでこいつら色移りしやすいの?』
大きく分けて、理由が二つあります。一つは染色方法。この辺の素材はざっくり説明すると、染料の入ったタライに生地をざぶざぶ浸して染色します(ざっくり)
そのため、色素の定着率。すなわち染色堅牢度が低くなりがちです。
もう一つの理由は素材の特長。吸水性に優れる、というのが一つの特長(なので肌着に使われる)ですが、裏を返すとオイルブリードもぐんぐん吸収してしまうわけです。
あとはわかるな……?( ゚Д゚)
逆に、移りにくいと言われるのがポリエステル等の素材。業界では化学繊維、合成繊維と言われるジャンルです。
『なんでこいつらは移りにくいのん?』
これは主に染色方法に理由があります。例えばポリエステル。彼を自分色に染め上げるには最低でも100℃以上の高温(濃い色を付けるには高圧も)が必要になります。要するに、繊維の隙間に染料を無理やり捻じ込むような方法で染色されます。
なので、色素の定着率が高く色移りしにくい、と言われています。
とはいえ、油断は禁物。同じ化学繊維でも、例えばナイロンは100℃程度の温度で染色しますので、若干定着率は下がる傾向にあります。
化学繊維なら、あるいはポリエステルなら絶対に移らない、というわけではないので要注意。理由は最後にまとめるね!
余談ですが、綿65%ポリエステル35%のような混紡素材は色移りしにくい、という話も耳にしたことがありますが、これについては仔ドラの知識もってしても、理由はよくわかりません。
現実問題として、糸の精錬方法や染色方法、染色素材など、果てしない組み合わせが存在するため、専門家でも移りやすい、移りにくいといった法則は特定できていないようです(´・ω・`)

・つけ置きとか洗濯したら移りにくいって聞いた!
だいたいあってます。要するに『落ちやすい部分を先に洗って落としてから着せよう』という対策です。
つけ置きの際に用いるのは、『酵素系の漂白剤』を使うようにしてください。塩素系突っ込むと真っ白になるでな……。
ただ、この酵素系の漂白剤も曲者で、金属を腐食させてしまうという副作用があります。衣類の場合、ファスナーやボタンなどが腐食して錆びる恐れがあります。
『塩素だの酵素だの一酸化窒素だのまどろっこしいわ!!(ノ ゚Д゚)ノ ==== ┻━━┻』
という江戸っ子さんには、こちら。『じゅうーなんーざいー!』(某青い狸ロボット風)
そう、柔軟剤です。洗面器などに水かお湯を入れて、洗剤と一緒に入れてしばらく置くだけ。お手軽!
詳しく書くと、つけ置きの時間は30分~1時間ぐらい(デリケートなものは10分ぐらい)。やりすぎると雑菌が繁殖して臭いの原因になります。
終わった後は洗濯機で軽く(30秒ぐらい)脱水をかけるか、普通に洗濯してしまいましょう。ちなみに、ストッキングなども一緒につけ置きすると伝線しづらくなるなどのメリットもあります。
あとは、世の中には色止め剤なる薬品も売られていて、これも色移り防止に有効と言われています。
『でもお高いんでしょう?(´・ω・`)』
通販で1000円以下で売ってたりするので、そんなに……。
でも、どうしても出費を抑えたい!という方向けに、ご家庭にある(であろう)もので代用する方法をご紹介します。

・色止め剤の代用品って?
それがこちら。『塩』と『お酢』です!
『……………?(;゚Д゚)』
はい、ちゃんと理論に基づいてご説明するのでしばしお待ちを。
まず塩のお話。
塩にはカルシウムやマグネシウムといった『ミネラル』が豊富に含まれています。これらのミネラルには繊維と染料の結びつきを強化し、安定させるという効果があるのです。そのため、染料が溶け出しにくくなり色移りがしにくくなる、となります。
ちなみに投入する塩の量は、洗濯機を使う場合は水の量に関係なく、大さじ1~2杯。手洗いの場合は水1リットルに対して大さじ1杯程度が適量です。なお、塩洗いをするときは中性洗剤(おしゃれ着用的なアレ)を使用するのがおススメです。普通のだと成分同士が喧嘩するので。
では、続いてお酢のお話。
お酢の中で有効に働いてくれる成分が、疲れ多き現代人の強い味方である『クエン酸』。このクエン酸が塩のミネラル同様に、繊維と染料を結び付けてくれます。
お酢を使う場合は、一度つけ置きするのが基本的な洗濯方法です。こちらも水1リットルに対して大さじ一杯ぐらい。で、その中に先ほど書いたつけ置き同様、30分~1時間ほど放置して、普通に洗濯するだけ!
ちなみに、砂糖の入った黒酢などはクエン酸のパワーが落ちるので、必ず穀物酢を使うようにしてください。
また、お酢を直接洗濯機に入れる方法もありますが……これは洗濯機内部の汚れごと落としてしまって、その汚れが衣服に付く可能性があります。やるなら事前にお酢で洗濯機を洗浄してry
と、なかなかに手間がかかるので、気になる方はぐーぐる先生に質問してくださいね!


さて、ここまで色移りの基本知識と衣類側の対策などを纏めてきましたが……。
何と、この時点ですでに4000文字を超える大ボリュームになっているという衝撃の事実!
調子に乗って書きすぎたぜ……(;゚Д゚)

というわけで、ドール側の色移り対策や最後のまとめは別記事に纏めさせてもらいます。
では、今回はここまで!次の記事をお楽しみに!!
ではのー(´・ω・`)ノシ~

2件のコメント


  • ノイタム様
    コメントありがとうございます!

    >クッソ面倒な専門的な内容なのにネタまみれなおかげで楽しく読めました!
    なぜこんなにネタまみれになるのかって?
    仔ドラ自身がまじめな記事とか論文読み込むのがすごい苦手だからですよ!!( ゚Д゚)
    いやまぁ、仕事柄読みますけど…どうせなら楽しく読みたいやん…?っていう。

    何か疑問などがあれば、お問い合わせからでもここのコメントからでも、遠慮なくお聞きくださいませー

    仔ドラ on

  • こんにちは。
    クッソ面倒な専門的な内容なのにネタまみれなおかげで楽しく読めました!
    じゃあ理解できたのかといえばそうでもないですが(汗)、読みやすいので必要時に再読するハードルが低くて助かるなーと。ありがとうございます。

    ノイタム on

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